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上海自由貿易試験区臨港新区における一般データリストについて

 

2024年2月8日、上海自由貿易試験区臨港新区管理委員会は、「中国(上海)自由貿易試験区臨港新区におけるデータ越境移転に関する分類分級管理弁法(試行)」(以下は管理弁法という)を発表しました。2024年5月16日、同管理委員会は、インテリジェントコネクテッドカ-、生物医学、公募ファンドの 3つの分野において、データ越境移転業務場面による 一般データリスト(試行)を発表しました。

今回の一般データリストは、非常にわかりやすい構成となっており、他分野の事業者にとっても、データ分類分級業務の展開およびデータ越境移転を行う際の良い参考になると評価されてます。3つとも紹介したいですが、スペースの都合ですべてを紹介することが難しく、取捨選択しなければならない状況にあります。

山東省進出日系企業のうち、製造業が占める割合が高い現状を考慮し、インテリジェントコネクテッドカ-分野の一般データリストの方が、より汎用性高いと思われるので、本稿は、この分野の一般データリストスを紹介することに致します。     

1. 適用範囲等一般規定
・適用範囲
重要情報インフラ運営者を除き、上海自由貿易試験区および臨港新区に登録し、臨港新区で本分野の関連業務に従事し、データ越境移転業務を行う事業者に適用する(管理弁方第3条、一般データリスト説明の1)。
・届け出
データ処理者は、臨港新区管理委員会に届け出た後、データ越境移転業務を行うことができる(管理弁法第 13条)。
・一般データと重要データの優先順位
重要データ目録が公開された場合、当該分野の一般データリストリストは自動的に失効する(管理弁法第14条2項)。
・有効期限
管理弁法の有効期限は2024年2月8日から2025年2月7日までの1年間(管理弁法第21条)。
・個人情報保護について
一般データは、個人情報を含まないものであるか、直接的・間接的に個人を特定できないものである等要求に適合しなければならない(一般データリスト説明の3と4)。

2. 業務場面と一般データリスト
一般データリストは、業務場面、業務場面の紹介、場面に含まれる一般データの典型事例・移転要求の3つの部分から構成されています。

まず、業務場面は合計4つがあり、生産製造、研究開発、アフターサービス、貿易となっています。これは、製造業事業者共通の業務場面と言えるのではないでしょうか。

さらに、業務場面の紹介では、データ越境移転の目的を説明してから業務場面に含まれる一般データを列挙しています。例えば、生産製造場面の場面紹介は以下のようになっています。

「製品品質一致性の実現、生産ライン安全性の確保、生産効率の向上、生産コストの削減のため、インテリジェントコネクテッドカ-の越境生産製造過程において、越境移転を行う需要のあるグローバル生産製造データであり、主に生産管理、部品・物料調達、在庫管理、品質管理、問題部品の再製造および物流チェーン等関連データがある」

最後に、業務場面に含まれる一般データについて、それぞれの典型事例に場面ごとの移転要求を加えています。(注:スペースの都合でデータ典型事例・移転要求は省略します。詳細は添付資料1を参照)

3.最後に
上海自由貿易試験区臨港新区に続き、山東省自由貿易試験区(済南区、青島区、煙台区)も、一般データリストを発表する可能性があるので、山東省所在の日系企業は、動向を注視する必要があります。

添付1 インテリジェントコネクテッドカー分野 一般データリスト.pdf
添付2 生物医学分野 一般データリスト.pdf
添付3 公募ファンド分野 一般データリスト.pdf