月刊青島--青島日本人会生活文化会発行
目次

新年のご挨拶

 青島日本人会の皆様、あけましておめでとうございます。

 昨年は元日から能登半島地震の発生という波乱の幕開けとなりましたが、パリ・オリンピックや大リーグでの日本選手の躍進など、海外でも臆さずに伸び伸びと活躍する若い選手たちに元気をもらい続けた一年だったような気がします。

 中国においては、海外との往来こそ回復しつつあるものの、国民の消費意欲はなかなか戻らず、日本企業の生産活動にも影響が及びつつあります。また経済低迷に起因すると思われる治安事案も度々報じられ、日本人学校の関係者が巻き添えになる悲しい事件も発生してしまい、日本国内における対中感情に更なるマイナスの影響を与えたのは残念でした。

 そのような状況下、日中関係という点では、11月に石破茂首相・習近平国家主席との間で、また年末には岩屋毅外務大臣と王毅外相との間で会談が行われ、「戦略的互恵関係の推進」、「建設的かつ安定的な関係の構築」という大きな方向性を再度確認しました。日本人の短期訪問者に対するビザ免除の復活が発表されたのも大きな進展でした。

 山東省内では昨年、山東省と和歌山県の友好都市40周年、同じく青島市と下関市の45周年という節目の年にあたり、7月に岸本知事や前田市長の出席の下に盛大な記念式典が行われました。更に青島では3月にジャパンフェスティバル、10月にジャパンディも開催され、年間を通じ両国友好の気運の高まりを感じることができたのは収穫といえます。

 中国政府は近年、「外資企業をより重視すべき」との方針を明確にしており、地方政府でも各種の取り組みが始まっています。青島でも新年早々、張恵副書記の主導により第2回目となる日系企業円卓会議が開催されました。今後より実質的な投資環境の改善に向けて、青島日本人会との対話も増すことが予想されます。

 総領事館としては、これらの前向きな気運をしっかりと生かし、在留邦人の皆様の安全及び日系企業の権益確保とともに、日本と青島市の更なる交流促進に努めていく考えです。今後とも皆様方のご支援・ご協力をよろしくお願い致します。

 戦後80年となる今年は巳年です。日本では大阪関西万博、世界陸上、日中韓サミットなどの大型イベントが予定されています。国際環境は予断を許さない状況が続くかと思われますが、皆様におかれましては、蛇のようにいかなる状況にも柔軟に対応しつつ、脱皮しながらまた一回り大きく成長されることを祈念し、新年の挨拶とさせていただきます。


2025年1月
在青島日本国総領事
斎藤 憲二

 

 

 
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