月刊青島--青島日本人会生活文化会発行
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ふるさと自慢

<静岡県掛川市>

 皆様はじめまして。青島イオンの山口茜と申します。
 本日は私の生まれ故郷、〈静岡県掛川市〉を紹介致します。

 掛川市は静岡県西部に位置し、静岡県の二大都市、静岡市と浜松市の中間、中東遠地域の中核的存在のまちです。そんな二大都市に挟まれた掛川、私の部屋からは海が見え、振り返れば山という自然豊かな場所で高校時代までを過ごしました。今回は私が幼いころから触れてきた掛川の文化として思い出深い、お祭とお茶についてお話をさせていただきたいと思います。

1.歴史溢れる掛川
  掛川市は東海道と秋葉道(塩の道)が交差する交通の要衝であるとともに、掛川城・横須賀城・高天神城が築かれ、地域の中心として発展してきました。そんなこともあり、私の地元にある横須賀城の麓では江戸から代々伝わるお祭『三熊野神社大祭』があります。
  三熊野神社は、文武天王の皇后に由来する神社です。災難除、子授け、安産、縁結びにご利益があるといわれています。大祭二日目には、「おねんねこさま」という神子人形を抱くと子宝を授かる神事が執り行われ、全国から参拝にいらっしゃいます。今年は四年ぶりに規模をコロナ禍前に戻し、制限のない通常開催を無事迎えられましたが、私は残念ながら参加することはできませんでしたので、妹とテレビ電話を繋ぎ、お祭と青島海沿いの風景を映しながら楽しみました。
  江戸時代の元禄年間(1690年頃)には既に踊りを主体とした祭りが存在していたようですが、現在の様式の原型が作られたのは、享保年間(1720年頃)、当時江戸幕府老中職にあった第14代横須賀城主 西尾隠岐守忠尚(にしおおきのかみただなお)公が、当時の江戸天下祭(神田・山王両祭礼)の祭り文化を横須賀の地へと伝えてからだといわれています。以来、子々孫々と受け継がれ280余年の伝統を誇る祭となっています。機会がありましたら、春の訪れを感じにぜひ掛川市横須賀においでください。
  
  23年ポスター      神社前祢里(ねり)        千秋楽

2.お茶の名産地掛川
  掛川市はお茶の生産に適した気候と豊かな自然環境に恵まれた茶産地で、全国トップクラスの生産量を誇ります。掛川のお茶といえば、深蒸し煎茶。特徴は、通常の煎茶よりも蒸し時間を2~3倍長くすることで、茶葉の成分が浸出しやすく、色が濃厚で自然の甘みが感じられます。また、日本の人口10万人以上の市で、がんによる死亡率が最も低く、高齢者の医療費も全国平均と比べて20パーセント以上も低いという統計があり、掛川茶は市民の健康を支えています。
  小学生時代には皆、地元の農家さん協力の元、茶摘みから注ぎ方まで学習します。急須の最後の一滴まで丁寧に切るよう厳しく言われた小学校低学年の自分を思い出します。また、中学校では蛇口からお茶が出るなど、掛川市ならではの生活文化もありました。今思うと、静岡のお茶しか飲んだことがなく、これがお茶というくらいに思っていたのですが、大学から移り住んだ京都の宇治茶を飲んだ際に改めて掛川茶の甘さを実感しました。飲み終えた後に口に残る甘味をぜひ皆様にもお試しいただきたいです。

以上、静岡県掛川市の紹介でございました。
ありがとうございました。

 

 
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