月刊青島--青島日本人会生活文化会発行
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ふるさと自慢

<福岡市博多>

  青島青旗食品有限公司の今林宏文と申します。私のふるさとは「福岡市」になります。私の生まれ住んでいたのは福岡市にはなりますが、福岡市の中では一番端部にある東区雁ノ巣というところで育ちました。中心部からは車で1時間程度の距離になりますので、まわりは住宅地でした。家からは博多湾が見え、歩いて玄海灘にも行くことができる場所で、小さいときから海が身近にありました。父親や兄とは散歩や釣りにバーベキュー、友人たちとは海で泳ぎ、遊んでいたことを懐かしく感じます。青島も海が近く、勝手に親近感を感じています。

  私のふるさとは福岡市ですと言いながら、今回は「博多」をご紹介したいと思います。ふるさとはどこですかと聞かれますと、「福岡市です」と答えつつも、心の中では「ふるさとは博多」だと思っています。高校が博多駅の近くであったこともあり、博多についてご案内します。

  ところで「博多」という駅や地名が存在する理由はご存じでしょうか?私もインターネットを見て、改めて勉強したところです。歴史の中では最古の港のひとつとして博多津(湊)として登場します。遣隋使や遣唐使から始まる外交と交易の中心地になるようです。歴史が好きな方は、元寇や豊臣秀吉など時代の中で登場することもご存じかもしれません。こうして交易にて栄えた商人の町と言える博多でしたが、江戸時代に入国した黒田長政(黒田如水(官兵衛)の子)により福岡城が築城されました。昔からある町人の町博多と城下町福岡の二極都市になったようです。明治時代の廃藩置県により福岡藩は福岡県になり、市の名称を「福岡市」にするか「博多市」にするかは大論争になりました。結果、「福岡市」が採用されましたが、福岡市としての発足のさいに仲裁案として同年に開通することになる九州鉄道の駅名は「博多駅」になりました。「福岡市」と呼ぶか、「博多」と呼ぶかに長い歴史の積み重ねを感じるところです。
  それでは博多を紹介します。

① 博多のよかところ

 「山笠(やまかさ)のあるけん、博多たい」。博多銘菓のCMに使われていた言葉です。博多にはのぼせもんと呼ばれる言葉があり、夢中になる人を指します。のぼせもんという言葉が一番使われる季節が山笠の始まるときです。山笠とは博多の初夏の風物詩として親しまれている博多祇園山笠を指します。7月1日から15日の間に開催され、「山笠」や「ヤマ」と呼ばれる神輿を担ぎ、博多の街を走り抜けるというものになります。最終日の15日は追い山と呼ばれ、朝4:59にスタートします。7月1日からの15日間は、街全体がのぼせもんになりお祭り気分となっていきます。締め込み姿の男性がヤマを担いで走り回る姿を見ると、勇壮で熱気にあふれており元気がもらえるお祭りです。何かに夢中になりできること、のぼせもんの一人としてこれからも行動できればと思っています。コロナ禍で2021年の舁き山行事(山笠を担いで街を回る行事)は延期となっていますが、2022年は再開できることを願いつつ待っています。

 

 

 

 

左写真:飾り山
7月1日~9日までは山笠が走らず準備期間と
なりますので、飾り山をみて気分を盛り上げて
いきます。

② 博多のうまかもん

 博多で有名なものは「博多ラーメン」、「辛子明太子」、「もつ鍋」、「水炊き」などありますが、今回、私から紹介したいのは「博多うどん」です。博多でうどん?と思われた方も多いと思います。私もうどんが博多の名物とは知りませんでした。大人になり初めて讃岐うどんを食べたときに、衝撃を受けたのは覚えています。こんなに硬いうどんがあるのかという衝撃でした。博多うどんの特徴はふわふわしたコシの弱い(柔らかい)麺を使用する点にあります。私が小さい頃から食べていたうどんも、このコシの弱いうどんでした。ごぼう天うどんや肉うどんが好きで食べていたのを覚えています。博多に行ったら豚骨ラーメンと思っている方は、是非一度うどんを試していただければと思います。
 博多区にある明治創業のお店「かろのうろん」などお勧めのお店です。

左写真:博多ラーメン
    うどんを紹介しながら、写真は博多ラーメンです。
    博多うどんのいい写真がありませんでした。
    博多ラーメンを頼むなら、硬さは「ばりかた」に
    挑戦してください。ばりかた=「とても硬い」の意味です。
    硬く細い麺が美味です。ばりかたより硬いのが
    お好みの場合は、「はりがね」と注文し、更に硬いものは
    「粉落とし」と注文します。「粉おとし」は粉が落ちる
    ぐらいしか茹でないので、かなり硬めです。
    また、替え玉を注文するために、おなかが空いた状態で
    行きましょう。

 コロナにより各地域で人が集まるお祭りが延期になり、美味しいものを提供してくれる有名店が閉まっているなどあるかと思います。いろいろと制限される日々が続きますが、いつか解消されるだろうと思います。その時にはふるさとが元気になっていることを思いながら、皆様が博多に来られることをお待ちしています。ありがとうございました。

 

 

 
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